最愛のものの死

アルがおとといの夕方亡くなりました。
享年16歳。
眠ったような安らかな顔でした。



おとといの夕方、実験室から出てきて携帯を見るとメールと着信履歴と留守電が入ってた。
実験が終わってとりあえず神戸に向かう。
途中何度も目頭が熱くなって人前にいるのが辛かった。


なんでそばにおられんのかな。


駅に迎えにきた母の話で、妹が羽を羽ばたかせなくなったアルのために工作をしようとホームセンターで何か買ってきたとこだったと聞かされた。
部屋でずっと泣いてるらしい。
家についてそのまま庭に向かった。
足の弱ったアルを猫やカラスから守るためにかぶせたひなたぼっこ用の金網の中で、網に頭を押し付けて眠っているみたいだった。
声もかけれなかった。
なんかもうただ辛かった。
ずっと頭をなでてやりながら泣いてた。


アルは高齢だったし火葬にすると骨も残らんだろうってことで、ご近所には悪いけど庭の片隅を深く掘って埋めることになった。
翌朝早く、シャベルで小1時間ほど掘った。
母親、妹、俺でアルと別れの挨拶をして、ビニールのシートでくるみ、穴に入れた。
土をかぶせ石灰をかけ、また土をかけた。
掘るときは辛くなかったけど、埋めるのはやっぱし辛い。
土を全部かぶせて小さな塚にし、線香を焚いて大好きだったミニトマトを供えた。


もう大丈夫だろうと思って書いてみてるけど、思い出すとまだ悲しい。
僕も今年23になるってのに涙は出るもんだな。
16年間、アルは幸せだったのかな?
分かんないけど僕がアルと過ごした時間は何物にも変えられない幸せな時間だったと断言できる。
散歩のとき後ろをちょこちょこついてきたこと、元気な頃はよく飛んでたこと、じゃれて毛づくろいをしあったこと、小学校の頃給食のパンを持って帰って食べさせてたこと、一緒に福岡までつれてったこと、雪の高速道路で渋滞してる中外に出て遊んだこと、公園の池のあひるたちにいじめられたこと、友達の家のメスあひるに突っつかれて追い返されたこと、まだひなだった頃腰の高さくらいもある大型犬の鼻をつついて追い返したこと、いくらでも思い出せる。
本当に世界で一番愛してたしこれからも絶対忘れない。


初めての独り酒で頭が痛いまんま勢いで書いてるからもうなにがなにやら…
とりあえずこれからもずっとあひる好きです。